同棲したいけど、親に言えず、決心が付きません

友人の編集者さんは、なんと７年間もご両親に同棲している彼氏のことを黙っていました。わたしは「絶対、バレてるって。早く話しちゃったほうがいいんじゃない？」といっていたのですが、彼女は、「ううん。絶対にばれていない。でも、今年のお正月こそは打ち明ける」といって、毎年ふたりで同じ会話を繰り返していたんです。結果をいうと、彼女のお母さんはやはり同棲に気が付いていました。「いつ打ち明けてくれるかと思ってた」といわれ、とても心苦しくなったそうです。
　成人しているのに、恋人のことを親に話せず、隠れて同棲したりするのはやっぱり気が重いですよね。わたしは、セクシャルな問題には非常にオープンな家庭で育ったので、「男性問題で困ったとき、親こそ、いちばんの相談相手。なぜなら、年の功で人を見る目はあるし、自分の子どもに悪いことはすすめないはず」と思っています。なので、余計にあなたと彼のご両親には、きちんと筋を通したほうがよいと考えます。 筋を通した上で理解してもらえなかったら、そのときはそのときで、開き直ってふたりでやっていける力が湧けばいいのではないかしら。
　とはいうものの、恋愛問題にオー プンでないのでしたら、ご両親にいきなり「同棲しようかと…」と切り出すのは、タイヘンなことですよ。あなたにとってタイヘンなのではなくて、ご両親にとって天と地がひっくり返るくらいタイヘンなこと、という意味です。まず、ご両親に「娘はもう少女ではない、ひとりの女なのだ」と理解してもらうため、免疫をつけるところからはじめられてはどうでしょう。「友だちを連れてくるから」といって、彼氏をお母さん（もしくはお父さん。どちらか話しやすいほう、味方になってもらえそうなほう）に会わせるところからスタートし、じょじょに恋人であるところを見せ付けていくとか。それからできれば、彼のご両親に会って、彼のお母さまを自分の味方につけてしまえるといいです。わたしも若い頃は、彼氏の親とどういうふうに接したらいいか悩みましたが、背伸びやムリをせず、いい子ぶらずにいつもの自分で「嫌われたら嫌われたでしょうがないや」くらいの気持ちで会うほうが、うまくゆくものだと気付きました。
　最後に、実はこれがいちばん大切なことですが、もし、本当に彼と同棲をするのでしたら、一緒に暮らし始める前に、ふたりできちんとルール作りをするべきです。お金の管理、家事の分担はもちろん、暮らしてみてから気付いた生活習慣ギャップなどについては、その都度話し合ってください。ふたりとも、新社会人になって職場でも慣れないことの連続なのに、私生活でもうまくいかなかったらストレスがたまってしまいます。問題が起きたら、その場その場で問題を提起し、解決に向けて話し合うことが、同棲をうまく続けてゆくのにはもっとも大切なことです。
　ちなみにわたしは、家でアタマにくることがあると、マンガ喫茶か、健康ランドに逃げ込んで、ひとりになります。ひとりでくつろげる避難場所を確保しておくのも同棲には必要不可欠。ただし、行き先は相手に告げてから出かけるのは、ふたり暮らしのマナーです。他人と一緒に暮らしてみるって、スリリングで、とても楽しいことです。好きなものもどんどん増えていきますよ。うまくゆくように応援してます。