恋人への不満
どんなに仲の良い恋人同士でも、ケンカはつきものですよね。
昔からよく「ケンカするほど仲がいい」とも言われます。
しょっちゅう大ゲンカをしながらも、仲良くそいとげる夫婦もいますよね。
全く興味のない相手や、どうでもいい相手なら、嫌な思いをして争わずに無視すればいいのですから、ケンカをするということは、
「今後も関係を続けていきたい」
という意思の表れともいえます。
別々の意思を持った人間が一緒にいれば、ぶつかり合ってしまうのは当たり前。
ささいな引っ掛かりはため込まずに小出しにするのが一番です。
むしろ、争いを避けて自分の気持ちを抑えてばかりいれば、いつかはたまりにたまった不満が爆発して、取り返しのつかない破局を迎えてしまう可能性も…。
気持ちをぶつけあうことで、お互いの違いが見えてくることはよくあります。
思わせぶりに感じたひと言や行動が、単なる思い違いだったり、考えすぎだったりということも少なくありません。
テレンティウスの言うように、恋人同士のケンカは愛の更新作業です。
ケンカをおそれず本音でぶつかっていくことで、二人の関係はもっと深く、より良いものになっていくはずですよ。
今週の恋愛格言をのこしたのは、古代ローマの劇作家プビリウス・テレンティウス・アフェルです。
共和政時代のローマで若くして活躍し、『兄弟』、『アンドロス島の女』、『宦官』、『自虐者』、『義母』、『ポルミオ』の6つの戯曲を完成させました。
これらの作品はすべて現存しています。
テレンティウスは、最初奴隷としてローマにつれてこられました。
しかし、大変優秀だったためにその才能が認められ、教育をほどこされた後、奴隷の身分から解放されています。
