最近「好きな人ができない」「愛するということがわからない」という悩みをもつ人が増えているようです。
恋をしたいけれど、いったい誰に向かって何をしたらいいのかわからない、という恋愛相談も少なくありません。
「恋に落ちる」という表現がありますが、恋とはまさに突然出現する落とし穴のようなもの。
気づいた時にはすでに遅く、恋という感情に飲み込まれてしまっているのです。
そこに手順や理論は存在しません。
誰かに恋したいからする、というものではないのです。
しかし、人間関係や生き方に関する研究で非常に有名なアメリカの心理学者 バーバラ・デ・アンジェリスは、この悩みに一つの答えを示しました。
「自分を上手く愛せないようだったら、ほかの人を愛することも難しく感じるでしょう。
自分を愛することにさえ費やすことができない時間とエネルギーを、他の人のために費やすことを腹立たしく思うでしょうから。」
人が誰かを愛する時、自分が意図するか否かにかかわらず、たくさんの時間とエネルギーが必要となります。愛しい人を想い、その人を喜ばせるために、多くの人は一生懸命に努力するのです。
これらは本来、自分よりも相手の利益を願う「無私の心」であるべきですが、自分に愛が足りていなければ、誰かのために時間やお金を使うことが馬鹿らしく思えたり、費やしたエネルギーに相応するリターンがないことに、逆に怒りを感じるようにさえなってしまうこともあります。
だからこそ、本当に他人を大切に愛するには、まず自分に愛が足りていなければならないと、バーバラ先生は言います。
見えない恋に恋するよりも、まず自分の存在を肯定し、きちんと愛してあげること。
それが「本当の恋」への近道となるのです。
※参考:
『誰かを愛してその愛を失った人は、何も失わない人より美しい』/宝島社
今週の恋愛格言をのこしたのは、アメリカの心理学者 バーバラ・デ・アンジェリスです。人間関係や自己啓発分野の第一人者であり、特に男女関係のカウンセリング経験の豊富さから『愛の博士』とも呼ばれています。
彼女がパーソナリティーとして出演しているテレビ番組『メイキング・ラブ・ワーク』は、毎日のように全米で放送されるほど人気となっており、恋愛に悩む多くの人々に支持されています。
『男と女の男と女の心が底まで見える心理学』『「好きな人」に愛される人、愛されない人』『本当に好きな人とめぐり逢う本』といった多くの著作は、二ューヨークタイムズ紙でこの分野のベストセラーに選ばれました。