彩乃---恋愛対象として意外に難しいと思うのは男友だち。ふだん、何気に仲良くしている男友だちが、恋愛対象として、急に気になり始めちゃったりしたら、異性として意識してなかっただけに、けっこうアプローチに苦労すると思うんだ。わが社のイケメン若手社員のK一(24歳)も同じように思っているらしくて……。
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K一---彩乃さんの言ってること、よくわかりますよ。俺も今まで女性として意識してなかった女友だちに惚れちゃったら、どう接していいか困りますよ。
さくら---確かにそうですよね。今まで自然な感じで接していたのが、好きになっちゃうと不自然な感じになっちゃいますもんね。
K一---そうなんですよ。お互い、今まで恋愛感情がないという前提で、友だち付き合いをしてきたわけだから、照れくさいというか、変な感じになっちゃいますよね。
真央---へえ~、そういうもんですかね。K一さんて、いつも違う女性と食事に行ったり、飲みに行ったりしてるじゃないですか。あれって、恋愛感情抜きなんですか?
K一---もちろん、そうだよ。みんな友だち。だから、お互い恋愛感情はないつもりなんだけど、 ふとしたキッカケで好きになっちゃったりしても、どう対処していいかわからないんだよね。
真央---別に告っちゃえばいいじゃないですか。友だち付き合いをしてきたわけだから、K一さんに悪感情を持っているということは絶対ないんですから。
彩乃---ただ、友だちとして「好き」というのは、恋愛でいうところの「好き」とはまた意味が違うから、なかなか難しいよね。真央が言うほど簡単にはいかないよ。なんか越え難い「壁」とか「ハードル」があるっていう感じ。
K一---そうそう、壁とかハードル、それって言い得て妙ですね。真央が言うみたいに「仲良く友だち付き合いをしているんだから、恋愛関係になるのなんて簡単だろ」とか、男友だちとかにも言われるんですけど、全然そんなことないですよね。むしろ、友だち関係も何もないフラットな状態の方が 恋愛関係になるのが自然かも。
さくら---相手の女友だちも、同じようなタイミングでK一さんのことを恋愛対象として意識していたら、話は簡単なんですけどね。でも、そんな都合のいい状況なんて、わからないですものね。
彩乃---なんか、友だちとして仲がいいというのは一見、恋愛に有利なようだけど、実は大きなハンデかもしれないね。だって、フラットな状態からの恋愛より2倍のエネルギーが必要だもん。
真央---じゃあ、こういうのはどうですか。2人きりでいるときに、何となく大人な雰囲気を作って、 恋愛ムードにもっていくとか。
K一---2人きりでいても、そういう雰囲気にならないのが、異性の友だちなんだよね。いくら、俺がそういう雰囲気を作っても、相手にその気がなけりゃだめでしょ。
彩乃---でも「友だちの壁」を越えるには、まず相手を異性として意識させるっていうことが必要だよね。だから、考え方自体はそう的外れじゃないんだよね。
さくら---でも、いきなりそういう雰囲気になられてもねえ……。
K一---そうですよー。
彩乃---でもさ、K一だって、ただの女友だちが恋愛対象に変わっちゃうというのは、彼女に「女性としての魅力」を感じたからでしょ?
K一---確かに、それはそうですね。
彩乃---だから、K一が何をキッカケに、女友だちから恋愛対象として、意識するようになったのか分析したらいいんじゃない?そして、それを今度は女性の立場に当てはめてみたら、うまく攻略できるかもよ。というわけで、友だちから恋愛対象へ変わるキッカケや瞬間について考えてみたいと思います。
意識するキッカケは、偶然手が触れたとき…
彩乃---友だち関係から恋愛関係へ変わるのはすごく難しい、というのが前回のテーマだったんだけど、今まで友だちだった存在を、恋愛対象として意識するようになるキッカケって、やっぱり友だちに「異性」を感じてしまった時だと思うのね。女友だちへのアプローチに悩むK一(24歳)だけど、そこをしっかり分析して女性側に当てはめて考えてみたら、攻略法も見えてくるんじゃないか、と考えてるの。
さくら---K一さんは、何をキッカケに女友だちを恋愛対象として意識するようになったりするんですか?
K一---やっぱり相手に「女性」を感じる時ですよね。
さくら---たとえば?
K一---ふとしたしぐさが色っぽく見えたりとか、偶然手が触れたりした時にドキドキしちゃうと、それが恋愛のドキドキ感に変わっちゃうっていう感じですかね。
真央---なんか単純じゃないですか。
K一---そんなことないよー。それまでは、手が触れても何とも思わなかったわけだからさ。
彩乃---その程度の分析じゃ甘いよ。手が触れるだの、今まで気にならなかったことが気になっちゃうわけだから、なんで気になるようになったのかをもっと真剣に考えなきゃ!
K一---そっかー。確かにそうですよね。
彩乃---そうそう。ドキドキしちゃうようになったキッカケが何かあるはずなんだよ。
安心感からドキドキ感へ?
K一---やっぱり、今までとは違う一面を見せられたりすると、恋愛対象として意識しちゃうようなところがありますね。
さくら---確かに、それはありますよね。
K一---今まで自分の前でオシャレなんてしなかったのに、急にオシャレしだしたりとか。ベタだけどホラー映画とか一緒に観てて、怖いシーンで「キャッ」とか言われて抱きつかれたりした時もドキドキしちゃいますねー。
さくら---同性異性を問わず、友だちでいる感情って「安心感」みたいなものが大きいと思いますけど、それがドキドキ感に変わっちゃう時というのが、友だちから恋愛対象に変わる瞬間だと言えそうですね。
彩乃---同じ「好き」でも好きの意味が違ってくるみたいな?
さくら---そうそう。
彩乃---あと、本当は友だちとしてじゃなく、女性として好きなのにその気持ちに気づかず、ある日突然、自分の気持ちに気づいた時とかさ。
K一---それはすごくありますね。女友だちが別の男性と仲良さそうにしているのを見て、思わず嫉妬したりして、「あれ、俺、彼女に惚れてるんじゃ……」みたいなことって、確かにあります。
彩乃---そういう気持ちって、やっぱりいつもの相手のイメージとは違った一面を垣間見た時だと思うんだよね。それをキッカケに友だちから恋愛対象へと変わっていくんだろうね。だから、K一もそこを意識して、女友だちに今までとは違うK一のイメージをアピールしたらどうかしら。
ここからは女性目線で男友だちを恋愛対象として意識するキッカケについて話し合いたいと思います。
彩乃---友だち関係から恋愛関係になるっていうのは、すごく大変。K一もその越え難い「友だちの壁」に悩むひとりなんだけど、攻略法としては今までの単なる友だちのイメージを、くつがえすようなアピールだと思うんだよね。もちろん、イメージが悪くなっちゃうようじゃダメなんだけど。そして、女性にとって男性の友だちが、恋愛対象に変わる瞬間というのは……。
K一---そうそう、それが知りたいです!
さくら---私、シチュエーションが、とっても大事だと思うんです。
K一---というと?
さくら---友だち関係というのは、ある意味「日常」じゃないですか。そういう日常の中で、いつもと違う自分のイメージって、出しにくいと思うんですよ。だからまず、いつもと違う「非日常性」みたいなものを演出する必要があると思います。
彩乃---くさいぐらいロマンティックな雰囲気の場所で、2人きりになってみるとか、いつもの自分と違った一面を引き出すのに、そういうのは確かに有効かもね。
真央---わたしはそういうの、ちょっと苦手。
K一---俺もちょっと、そこまでキザにふるまう自信がないです。
彩乃---2人ともわかってないな~。友だち関係から恋人関係に発展するには、ふつうのフラットな関係よりも、2倍エネルギーが必要って再三言ってるでしょ。
さくら---それに、ふつうのフラットな関係だと、ちょっとした言動なんかで、 相手の好意みたいなものが感じることができると思いますけど、友だち関係だと、そういう微妙な感じのサインって読み取りにくいし、出しにくいですもん。
彩乃---ほら、長年連れ添った夫婦が男女関係をあまり意識しなくなって、友だちとか家族っていう関係になるケースって多いって言うでしょ。そういう関係だと微妙なサインじゃなくて、ハッキリと意思表示しないと、伝わりにくいことってあるんじゃないかな。友だち関係からの恋愛もそれと一緒で、やっぱり必要以上のエネルギーや意志表示の力が求められちゃうんだよ。
K一---そう考えると、友だちから恋人に発展するのって、俺が思っている以上に大変なんですね~。
さくら---そのとおりだと思いますよ。
真央---それに、友だちとの恋愛ってリスクも高いですよね。
K一---そうなの?
真央---だって、ふつうの関係だと告白して断られても、そのままフェードアウトすればいいけど、友だち関係の場合は断られても、友だち関係はずっと続くんだよ!それって、すごく気まずいよ。
K一---そうだった。断られた時のことを全然想定してなかったよ。
彩乃---K一、そんなことも考えてなかったの?エネルギーが必要ということは、そういうことも含んでいるんだよ。もし、告白して断られても友だちでいる以上、どんなに気まずくても、顔を合わせなきゃいけない局面だってあるし、それがグループみたいな、友だち付き合いをしていたらなおさらだよ。
さくら---その女友だちとだけではなく、他の友だちたちも含めた人間関係に影響しますよね。そうそう、グループで遊びに行く時でも、彼女が来るなら自分は行けない、みたいな。まわりも気を遣って2人が会わないようにするとか、けっこう面倒臭いことになっちゃいそうだよねー。
真央---K一さんにそういう覚悟があるのかな~?
K一---正直、そんな覚悟、全然できていないよ。アプローチのことばっかり考えていて、断られた時のことは全然想定してなくて……。
彩乃---告白するのはちょっと考え直した方がいいんじゃないかなあ?いずれにせよ、友だちから恋人へ踏み込むには、やっぱり、お互いの気持ちを変化させるためのキッカケが必要。偶然に恵まれて、そういうキッカケがあればいいけれど、実際はなかなかそうはうまくいかないもの。とにかく 自分で発展させるキッカケを作るしかないってことよね。