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彩乃---今回登場するのは、最近、彼女との結婚へ向けて、話が進んでいるという噂がもっぱらのY彦(29歳)。今がイチバンしあわせ時期だと思いきや、悩みがあるんだそう。
真央---どうせ、新婚旅行の行き先に迷ってるとか、オノロケ半分な悩みなんじゃないですか?
Y彦---いやいや、そういう甘いもんじゃなくてさ。最近、結婚も具体的になりつつあるんで、彼女に結婚後のビジョンとか語ったりするわけだよ。すると、彼女は、ドン引きするんだよねー。
さくら---どんなビジョンを語るんですか?
Y彦---「子どもは何人ほしい」とか「男の子だったら●●、女の子だったら○○と名づける」みたいな話が多いかな。
真央---う~ん、ドン引きするほどじゃないと思うけど、あたしは、ちょっとイヤかも。
Y彦---なんでだよ!?
結婚について真剣に考えているっていう感じがするだろ?
彩乃---ビジョンというよりは妄想という気がするよね。他にも語ってることがあったりするんじゃないの?
Y彦---まあ、「●●(有名人)みたいな夫婦になりたいよね」とか、「●歳までに一戸建ての豪邸を建てたい」とか、そういうことはよく話すよ。結婚について、真剣に考えているっていう感じがするだろ?
彩乃---やっぱ、妄想に近い感じがするわ。
さくら---そうですよねえ。結婚について真剣に考えているとか言いながら、これじゃ結婚後のことが思いやられますよねえ。
Y彦---なんで、結婚後の理想やビジョンを語ることが結婚について真剣に考えてないことになるんだよ?
さくら---だって、もう結婚間近なんですよね?
Y彦---そうだよ。実はここだけの話だけど、仲人もT原部長にお願いしてるしね。
さくら---だったら、なおさらですよ~。
彩乃---結婚がリアルに近づいているのに、そんな物語みたいなことばっか言ってたら、彼女にドン引きされるのは当たり前な気がするけど。
真央---ですよねえ。Y彦さんの言ってることって、結婚をリアルに考えていない感じがするよね。
さくら---そうそう結婚を軽く考えているというか、底が浅いというか……。
Y彦---えぇっ!? なんでだよ?
理想の結婚生活像を彼女と共有するために、話をしているわけで、ドン引きされる筋合いなんてないはずだろ?
さくら---Y彦さんは子どもが何人ほしい、みたいな話をしていますけど、彼女は、結婚後は仕事を辞めるって言っているんですか?
Y彦---いいや、言っていないけどさ。そういう話は、まだ先でいいんじゃないの?
彩乃---ていうか、子どもの数や名前の話こそまだ先でいいよ。
彼女にだって、仕事に対する考え方があるんだから、結婚後はどうするのか、まず確認すべきなんじゃないの?
さくら---それもしないで、子どものことばかり話されてもねえ。
真央---結婚に浮かれてるだけじゃん、と思われても仕方ないかも。
彩乃---そうそう、浮かれて夢物語ばかり言ってるところに、ドン引きしちゃうこともあるわけ。結婚も近いんだから、もっと地に足つけてほしいって、彼女は思ってるはずだよ~。 結婚というのは、他人同士が一緒に暮らすわけだから、リアルな現実というか問題みたいなことがあるわけじゃん。
結婚が具体化している今だからこそ、語るべきことがあるんじゃないかな。
彩乃---彼女に結婚後の夢を語りまくってドン引きされたY彦(29歳)。
本人的には至って真面目なつもりだし、結婚についても真剣に考えてるつもりなんだろうけど、結婚間近なだけに女性的には「もっと他に考えることあるんじゃない?」って感じなんだよねー。
夢というより妄想に近い気がするし。もっと現実を見つめなきゃ!
Y彦---わかんないなー。結婚が間近に迫っているからこそ、彼女と同じビジョンを共有したいから、結婚後の夢を語るわけじゃん!ドン引きされる筋合いなんてないって。
真央---そのビジョンというか、妄想の共有は、結婚間近に無くてもいいかな。
さくら---付き合って間もない頃だったら、「こんな家庭を築きたい」とか「こんな夫婦になりたい」みたいな夢物語を語るのもアリだと思うんですけど……。
彩乃---結婚間近で、その妄想はないよねー。学生じゃないんだから。
さくら---そうですよ。地に足がついていないというか、結婚や夫婦生活をリアルに考えていないですよね。
真央---なんかフワッとした話ばっかですもんね。
Y彦---だって、そりゃしょうがないじゃん。将来的な話なわけだから、どうしたって願望とか希望みたいな話になっちゃうよ~。
さくら---だから、ダメなんですって。女性は、そんな抽象的な話なんてあまり望んでないと思いますよ。
Y彦---じゃ、男は将来の妻と、どんな結婚や夫婦生活についての話をすればいいんですかね?
彩乃---女性はね、結婚とか夫婦生活に関して具体的な話題を望むもんなんだよ。 「子どもは●年後に作ろうとか」「●年後にマイホームを持とう」とかさ。結婚に関してはシビアだしリアリストだと思うよ。
真央---それを「●●(有名人)みたいな夫婦になりたい」なんて、妄想にもほどがあるというか。
Y彦---いいじゃん、結婚生活に夢ぐらい持ったってさ。
彩乃---持つのはY彦の勝手だけどさ、彼女はそんな夢を共有したくないって思っているかもよ。大体そんなことより、式場の手配とか、そういう直近の具体的な準備についてはどうなのさ?
Y彦---そういうのは基本的に彼女に任せてるんで、俺はノータッチなの。
彩乃---これだよ。だから、Y彦はダメなんだよね~。
さくら---あのですね、結婚の準備って大変なんですよ。
予算のことを考えながら式場を決めたり、披露宴の出席者や席順を決めたりとかで。そういう結婚の面倒な部分は彼女に押しつけておいて自分は夢ばかり語っているのって、彼女はドン引きするどころか、 きっとY彦さんに失望していると思いますよ。
真央---彼女、ひとりで抱えてツライかもね。
Y彦---おいおい、やめてくれよ~。夢と希望にあふれた俺たちの結婚生活にケチつけないでくれ。
真央---「夢と希望にあふれた」なんて言ってるのは、Y彦さんだけかも。
さくら---彼女はこれから始まるY彦さんとの夫婦生活に不安を覚えてるはずですよ。「この人で大丈夫かしら…」みたいな。
彩乃---Y彦って、実は結婚後の生活に不安を持ってたりするんじゃないの?
子どもを持ったりとか、家族を養っていかなければならないことに自信がないとかさ。人間っていうのは、具体的な目標を達成できる自信がないと、理想とか夢に逃げちゃうところがあるからね。
そんなところも彼女に見透かされてるんじゃないのかな。