これまでは、若い男女のものだと考えられがちだった「婚活」に対し、自ら積極的に挑むシニア世代が増加しつつあります。
現在60代以上のシニア世代は、1985年に制定後1997年に改正された「男女雇用機会均等法」の影響を最も受けた世代です。女性も男性と同じように働くのが当然といわれる時代背景の中、「女も仕事ができて当たり前」と日々叱咤激励されながら生きてきた人も少なくないでしょう。
ただ、自身の幸せよりもキャリア形成を優先してきた人の中には、仕事や生活が落ち着いた熟年世代を迎えて、「結婚」を新たな人生の選択肢と考える人も増えています。
では、シニア世代の結婚に対する意識やパートナーに求める価値観は、どう変化しているのでしょうか。
今回は熟年婚活を成功させるポイント、おすすめする理由についてご紹介します。
目次
国立社会保障・人口問題研究所による「第15回出生動向基本調査」(2015年実施)の調査によれば、現代の日本においての生涯未婚率(50歳の時点で一度も結婚したことがない人の割合)は、男性が23%、女性が14%で過去最高の数字となりました。男性のおよそ4人に1人は独身のまま一生を終えるという計算です。
結婚とはかつて、女性は一生を通じての生活保障であり、男性にとっては「家庭を持ってこそ一人前」という社会的な身分保証につながるものでした。しかし、男女が同じように働き、それぞれの能力を活かすことが求められる社会において、結婚だけが必ずしも幸せになるための条件とはいえなくなっています。
さらに、近年は3組に1組の夫婦が離婚しています。周囲からのプレッシャーでとりあえず結婚してみたけれど、うまくいかなかったという夫婦も少なくないようです。若いときに永遠の愛を誓ってゴールインしたカップルであっても、性格の不一致や日常生活におけるすれ違いが重なるうちに疲弊してしまうと、離婚の原因になります。
離婚や死別などさまざまな理由でひとりになったシニア世代が、「やはりひとりでは寂しい」という理由で、新たなパートナー探しを始めています。価値観が多様化した現代においては、入籍に準ずる恋愛の選択肢も許容されるようになっています。
例えば、シニア世代の男女の特徴として、必ずしも入籍にはこだわらずあえて「事実婚」や「通い婚」という選択をするカップルもいます。結婚の良さだけではなく、現実の厳しさを知り尽くしたシニア世代ならではの選択肢かもしれません。
【参考】
国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(2015年実施)
http://www.ipss.go.jp/site-ad/index_Japanese/shussho-index.html
シニア世代の恋愛は、若いときの婚活に比べてゆとりがあり、ガツガツしていないスマートさこそが魅力です。
シニア世代は、大きな人生の節目を迎えるイベントがたくさんあります。例えば、「定年を迎えて仕事をリタイアした」「子供が成人して子育てが終わった」「子供が結婚して孫が生まれた」など、ライフイベントを立て続けに迎えます。
その中で、時間に余裕ができて、ふと我に返ったとき、それまではなかった自分のために時間を使うという意識が芽生えたり、自分の時間を持つゆとりが逆に寂しく感じられたりすることがあります。そんなとき、そばにいてくれるパートナーの大切さを感じ始めることでしょう。
一緒にいて幸せだと思える相手を求めるのは、人として自然な感情です。若い頃は1人での暮らしが気楽だと思っていても、今の年齢に達したからこそ、入籍にはこだわらず、ただ好きな人と一緒に過ごすというのも人生を楽しむ方法の1つです。
これまでの人生経験が長く、出会ってきた人数が多いシニア世代だからこそ、若い世代が求める経済力や容姿などにとらわれずに相手を見極め、本当に必要な条件だけの自由なスタンスで婚活ができます。シニア世代だからこそ心の余裕があり、本当に好きだと思えるパートナーを探せることこそ、熟年婚活の魅力であり大人の恋愛の醍醐味といえるでしょう。
人生の選択肢が豊かになった現代だからこそ、熟年婚活においても、一人ひとりが求める目的は大きく異なります。意中の相手があなたに何を求めているのか、婚活のゴールは入籍なのか。2人の求める人生のゴールをはっきりさせておくことこそ、熟年婚活を成功させるために必要なポイントです。
まず、熟年婚活ではがっついたそぶりは見せずに、会話を楽しむことから始めましょう。お互いに共通の趣味や気になっている話題などがあれば、会話が盛り上がるかもしれません。共通の趣味がなくても、「相手と話しているととても楽しい」「癒されてホッとする」と幸せな気持ちになったり、自然に会話が弾んだりすれば、パートナーとしての相性がかなり期待できるかもしれません。
また、落ち着いた大人のデートを計画してみましょう。2人で一緒の時間を過ごすことは、今後の生活を見極める上で参考になる部分が多いでしょう。
若い頃とは違い、シニア世代は経済的にもそれなりに豊かな人も多いでしょう。昔は贅沢でかなわなかったラグジュアリーな場所でのデートも、大人になった今ならば実現可能かもしれません。
シニア世代の婚活で重要な点は、相手が婚活で最終的にどのようなゴールを求めているかを見極めることです。入籍をして名実ともに夫婦として社会に認められたいと思う人もいれば、一方で事実婚をしたい、さらには前のパートナーとの間に子供がいるなどの理由から、通い婚に徹したいという人もいるでしょう。
相手の目指す未来と自分の目指す場所が大きくかけ離れたまま交際をしていても、お互いの貴重な時間を浪費するだけです。
まずは、早めに相手が将来どうしたいのかについてはっきり理解しましょう。いくら魅力的な相手でも、ゴールが違うなら、勇気を持って「縁がなかった」と割り切り、次の相手を探すことも必要です。
若いときと比べて、シニア世代は新しい出会いが少ないものです。友人の多くが家庭を持っており、長年勤めた職場では新しい出会いは期待できそうにありません。すでにリタイアしているならなおさらです。
そんなシニア世代だからこそ、熟年婚活をおすすめします。
婚活をしている人は、男女問わず「結婚」「一生一緒にいられるパートナー探し」を目的にしています。そのため、浮ついた恋愛感情に惑わされることも少なく、自分に合った相手探しが期待できます。
<婚活パーティー>
婚活パーティーは、一度に大勢の人と会えるというメリットがありますが、参加する際に気を付けたいのは、参加条件やターゲットの年代層です。婚活パーティーの中には、共通の趣味や職業の人だけが参加できるものや、年齢制限を定めているものも多くあります。
婚活パーティーに参加するなら、シニア世代にターゲットを絞った結婚相談所主催の婚活パーティーを探してみましょう。結婚相談所などのプロの力を借りることも、自分の「理想の相手探し」にとって有効な手段になります。
<婚活バスツアー>
共通の体験を通じて、より理想に近いパートナーを探すきっかけを提供するための婚活イベントです。同じ時間を共有し、同じ体験を味わうことで、ただ会話をするだけのイベントよりも、お互いの性格をよく知ることができます。
「もう○○歳になってしまったから」「今までずっと1人でも何とかなってきたから」「子供のことを思うと、今さら恋愛や結婚なんて考えられないから」と自分の未来を諦める必要などまったくありません。シニア世代だからこそ、楽しめる恋愛があります。
熟年婚活をしている人の中には、「もう一度恋をしたい」という人もいれば、「一生を添い遂げられるパートナーに巡り合いたい」と結婚前提の相手を求める人もいます。大人になったからこそつかめる幸せを、求めてみてはいかがでしょうか。